本記事は『父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。』の推薦文です。
グレタ・トゥーンベリ
スウェーデン人の環境保護活動家のグレタ・トゥーンベリさんが、世界中の権力者に地球環境保護を訴えるスピーチは世界中で話題になりましたが、一部の権力者はグレタさんの意見に否定的です。
例えばムニューシン米財務長官は「大学に行って経済学を学んで、その後で私たちに説明できるようになるだろう」などとコメントしました。
以上のような光景は、『父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。』の著書であるヤニス・バルファキスがまさに危惧していたことなのです。
本当の経済の話
『父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。』(以下、この本)の著書である「ヤニス・バルファキス」をノーム・チョムスキーは以下のように評しています。
最高の経済学者であり、唯一の政治評論家だ。
ノーム・チョムスキー
そしてこの本で著者が伝えたかったことも「政治」と「経済」に集約されています。つまり「経済と政治は切っても切り離せない」というのが、著者のメインメッセージの一つです。
ご存知のない方も多いかもしれませんが実は、経済学が研究の対象とする『近代資本主義』と『民主主義』には密接な関りがあります。
残念ながらこの本では『近代資本主義』と『民主主義』についての詳しい歴史的な経緯については解説されていないのですが、そのかわりに「父が娘に語る」というタイトルにもあるように、そのことが容易に理解できるように工夫されています。
この本においてヤニス・バルファキス氏は、「経済は政治と切り離せない」ことを認めるのであれば、、、経済が招いた問題、、、例えば「貧富の格差」や「地球環境汚染」などの問題を解決するためには民主主義の力に頼るべきと主張をします。
とはいえ民主主義の力を行使しようにも、一般市民が「経済学は難しいから専門家に任せておこう」という態度を貫くかぎり、一部の権力者はこれからも貧富の格差を広げ、地球環境を汚染し続けるでしょう。そこにヤニス・バルファキス氏の問題意識があるのです。
一般人の経済学オンチをどうにかしなければ・・・・ということで、世に送り出されたのが「父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。」というわけです。
もしあなたが他人に以下のトピックについて説明できなければ、この本を読んでみるべきです。あなたは以下の質問にスラスラと回答できるでしょうか?
- 格差がなぜ?生まれたのか説明できますか?
- 信用創造のカラクリをわかりやすく説明できますか?
- 「お金ですべてが買える」を理屈で否定できますか?
- 市場のある社会と、市場社会の違いを説明できますか?
- 「借金は悪い」という固定観念を否定できますか?
- 地球環境の破壊を止められない理由がわかりますか?
もし一つでもあやふやなテーマがあるのであれば、ヤニス・バルファキスの話に耳を傾けてみてください。
そうすれば「経済」は「専門家に丸投げしてはいけないもの」だということが理解できるはずです。