蛇イチゴ ~ 正しそうな正義感がグラつく体験

蛇イチゴ

子どもの頃、正義のヒーローに憧れた人は多いと思います。ヒーローは「正しい」ことをしてくれます。悪を退治しつつ、善いことを追求してくれます。

しかし現実社会のわたしたちは、正義のヒーローとは程遠い日常生活を送っています。なぜ?誰もがヒーローに憧れて同じような価値観を共有していたはずなのに、大人になるとわたしたちは「正義」を貫徹できないのでしょうか?

今回はそのようなことを語る上で役立つ映画を紹介したいと思います。

蛇イチゴ(予告)

あらすじ

どこにでもあるような平凡な家族。サラリーマンの父、小学校教員の娘、自宅で義父を介護する母。しかし一見すると平凡な家族関係は、すべて上辺のことだったのだ。

父親(演:平泉成)は実は会社をクビになり就職先もなかなか見つからず、家族に隠れて借金した挙句に、借金取りから逃げる毎日。

娘(演:つみきみほ)は結婚を前提に交際している彼氏がいるが、勘当されて家を飛び出した兄がいることを話せないでいる。

母親は痴ほう症の義父の世話に疲れ果てて限界に達してしまい、とうとう義父の発作が起こった時、見てみぬふりをした結果、義父を死なせてしまう。

全員嘘をつきながらも、なんとかやっていたかのように見えた家族だったが、義父の葬式をきっかけにしてすべてが崩壊していく。

平凡な家族の崩壊を救うのが勘当されていた兄(演:宮迫博之)なのだが、兄への信頼を取り戻す父や母と違って、妹(演:つみきみほ)だけは兄のことを信じることができない。

子どもの頃から兄に振り回され続けてきたので、妹は「兄は嘘つきである」と信じて疑いもしていない。しかしある出来事をきっかけに、妹の「正義感」がゆらいでいくのだった。

正義とは?

この映画の登場人物のなかで、「嘘つきである」ことを自覚していない登場人物が一人だけいます。もちろんそれは妹のつみきみほです。

妹のつみきみほは、小学校の教員として子どもたちに「正しいこと」を教える立場です。しかしその「正しさ」は、子どもにも簡単に疑義を唱えられてしまうほどに薄っぺらいものなのです。

しかしわたしたちは妹(つみきみほ)を簡単に非難することはできません。なぜならばわたしたちも「正しさ」に依存していることは明らかだからです。

例えば働くにしても誰かの世話をするにしてもボランティアをするにしてもすべての行動は「それが正しい」と思うからするのであって、100%間違いだとわかっている行動をすることはないからです。

果たして一体、、、、、『正義』とはなんでしょうか?

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