HER ~ AIと恋愛してみる体験

もしかしたら・・・・ロボットとの恋愛が当たり前の時代が、もうすぐそこにやってきているのかもしれません。

「そんなことあり得ない」と思いましたか?しかし人間のコミュニケーションはますます劣化しています。例えば恋人と直接会わずに電話もせずにSNSでやり取りすることが多いという人も多いのではないでしょうか?

AI技術はかなり進化しています。ですからSNSでの短いテキストデータのやり取りや、スタンプのやり取りぐらいであればAIが代替できる時代にすでに突入しつつあるのです。

ということは・・・・「コミュニケーションする友達や恋人がいなければ、AIに代替してもらえばいい」という結論もあり得るのでしょうか?

今回はそのような思考実験をする上で役立つ『HER』という映画を紹介します。

HERの予告編

MEMO

第86回アカデミー賞のうち、「作品賞」、「脚本賞」、「美術賞」、「作曲賞」、「歌曲賞」の5部門でノミネートされ、最終的に『作品賞』を獲得した作品です。

果たしてリアルとは?

妻と離婚協議中のなか、どん底の感情を味わっていた主人公テオドール(役:ホアキン・フェニックス)の人生は、OSの恋人の出現によって大きく変化します。

テオドールはOSの恋人との交際をきっかけに、妻との離婚を決意します。もちろん妻側も夫の心境の変化を歓迎します。

しかし旦那の恋人がOSであることを知った妻は、旦那を強く非難してこういうのです。「リアルな人間の感情と向き合えないなんて(情けない)」と。

妻の主張に対して主人公はこう反論します。「君(元妻)はわかっていない。(彼女は)本当にリアルなんだ」と。。。。。果たしてリアルとは・・・一体どのようなものなのでしょうか?

この映画がまず浮き彫りにするのは、「人間の五感で感じることができるものが必ずしもリアルではない」ということです。

例えば映画館で映画を観てるとき、ハラハラドキドキした展開になれば心臓はドキドキし発汗します。そのような体感はリアルという他ありません。

しかし映画館の映像を近くまでみれば、画像は光にしか過ぎません。要するに、わたしたちは脳で処理したデータをリアルだと感じているに過ぎないのです。

そしてさらに重要なことに・・・・この映画では「リアルの条件はその人がリアルと感じるかどうかにかかっている」ということも同時に浮き彫りにします。

例えば主人公のテオドールにとってはOSの恋人はリアルですが、だからといって他人(例えば奥さん)にとってもOSの恋人の存在がリアルであるとは限らないのです。

OSとの恋愛可能性

人間とOSの恋愛は成立するでしょうか?

主人公のテオドールはOSの恋人にハマります。しかしネタバレになりますが、最終的にはOSの恋人との関係はうまくいかなくなります。

その詳細についてはここで詳しく語ることはしませんが、うまくいかなくなった原因は「OSの進化に人間が追いつけなかったこと」にあります。

ひらたくえいば、進化する「前」のOSにリアリティーを感じてしまう程度の人間は、進化した「後」のOSにとっては交際するに値しない「つまらない人間」でしかなかったのです。

「彼女は本当にリアルなんだ・・・」と上から目線でOSの彼女を評価していた男が、進化したOSの彼女にフラれてしまう・・・・・という衝撃的な結末は、わたしたち人間に強烈なメッセージをつきつけます。

そのメッセージとは・・・・・「AI技術に負けるような人間になるな」です。この作品ではAI技術に負ける(フラれる)男性が描かれていますので、是非とも反面教師にするとよいでしょう。