ホームレス中学生 ~ アドラー心理学の神髄に触れる体験

ホームレス中学生

『嫌われる勇気』でも有名なアドラー心理学の第一人者『岸見 一郎』先生は、精神的な健康の条件を3つ挙げています。

精神的な健康の条件
  1. 自己受容
  2. 他者信頼
  3. 他者貢献

岸見一郎先生曰く、自分には価値があると信じている状態(自己受容)、他人を信頼できる状態(他者信頼)、他人の役に立つと信じている状態(他者貢献)の3つが、精神的な健康の条件だというわけです。

ここで『他者貢献』というと、「他人を助けてあげる」というような行為のことを想像するでしょうが、実は・・・・・他者貢献とは誰かに何かをしてあげることだけではないのです。今回はそのことがよ~くわかる映画を紹介したいと思います。

ホームレス中学生(予告)

あらすじ

原作はお笑いコンビ麒麟の田村裕(たむらひろし)が書いた自叙伝。

田村裕が中学2年生の時、夏休みの前日に学校から帰ってくると、自宅の荷物が自宅の前に出されており、自宅に入れない状態になっていた。

田村裕と大学生の兄そして高校生の姉が、状況がわからず茫然としていると、父親が登場し、家族の解散を宣言して逃走してしまうのだった。

兄は近所の神社を仮住まいに三人仲良く暮らそうと提案するが、田村裕はその提案を拒否し、ひとりで講演の巨大なウンコ型滑り台をねぐらに生活をはじめる。

しかし一人で生きるのは楽ではなく、飢えや渇きが襲ってくるのだった。果たして、兄弟の運命やいかに・・・・・

見どころ(多少のネタバレあり)

本作のタイトルは「ホームレス中学生」ですが、最大の見どころは周囲の人たちの助けによってホームレスを卒業した後にやってきます。

兄弟を助けてくれたまさに命の恩人ともいえる民生委員(演:いしだあゆみ)が急逝したことにショックをうけた田村裕(演:小池徹平)は、家出をして警官に保護されてしまうのでした。

迎えにきた兄に牛丼をおごってもらいながら田村裕は、積年の思いを吐露します。

「幼い頃、母親が死んだとき自分は泣かなかった。泣かなければ母親は返ってくると思った。しかしホームレスを卒業させてくれた民生委員の人も死んだ。やっぱり死んだものは戻らない。もう何もかもイヤになった。」と。

そんな田村裕に兄はこう諭すのです。「お前、俺たちを見捨てていく気か。俺は寂しいんだ。三人肩を寄せ合って暮らそう」と。そして兄は田村裕の牛丼に生卵をかけながら「帰る帰らないはお前の決断だ」と付け加えて弟と別れるのです。

中学3年生の田村裕はどのような決断を下すのでしょうか?

さて、この映画は「聞いたことがないぐらい面白い話」を通して、「家族の温かさ」を伝える映画だというのが一般的な評価だと思いますが、実はアドラー心理学を理解する教材にもなり得るのです。

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