『国の借金』の嘘をわかりやすく解説

国の借金

『国の借金』という言葉は大手メディアでよく使われています。

例えば2019年5月10日の日本経済新聞には『国の借金1103兆円、3月末時点 3年連続で過去最大』というタイトルの記事がありました。

日本では今も多くの人が「国の借金が大変なことになっている!財政破綻するかもしれない!だから増税されるのもしょうがない。」と信じていると思います。

しかし真実は全く異なるのです。日本は世界でも有数のお金持ち(資産家)国家であり、財政破綻する可能性は今のところほぼゼロなのです。

は?どういうこと???と驚く人もいるかもしれませんので、(本当の)『国の借金』についてわかりやすく解説したいと思います。

国の借金とは?

国の借金といわれているものは、英語では”Government Debt”といいます。直訳すれば「政府負債」です。

そう。大手メディアで国の借金といわれているものは、正しくは「政府の負債」なのです。

そもそも政府の負債はどうやって生まれるのでしょうか?

ズバリ「政府が日本国債の発行する」ことによって政府の負債は増加していきます。

では誰が日本国債を購入しているのでしょうか?

日本国債の保有内訳は、以下のようになっています。

日本国債の保有内訳
  • 日本銀行 ⇒ 500兆円 (44%)
  • 銀行等  ⇒ 172兆円 (15%)
  • 生保等  ⇒ 223兆円 (20%)
  • 年金等  ⇒   75兆円 (  7%)
  • 海外   ⇒ 144兆円 (13%)
  • 家計   ⇒   13兆円 (  1%)
  • その他  ⇒   12兆円 (  1%)

 

【出典:資金循環統計(令和元年9月末速報)】

日本銀行は政府の子会社です。そして銀行・生保・年金等の原資は、国民の預金や保険料です。つまり政府にお金を貸しているのは、そのほとんどが政府の子会社(44%)と国民(42%)であるわけです。

さて、一部報道で「国の借金は国民一人当たり●●万円」という表現がされることがあります。しかし繰り返しになりますが・・・・・

「国の借金」とは「政府の借金」であり、「政府の借金」を貸しているのは「日銀」と「国民」なのです。ですから「国民一人当たり●●万円」という表現自体をすること自体に無理があるのです。

正しい表現をするのであれば、「政府の負債(借金)のうち、国民一人当たりが(政府に)『貸している』お金は●●万円」になるはずです。

本当の「国」の借金は?

メディアで表現される「国」の意味するところが「政府」であることを理解したところで、本当の国の借金はいくらになるの?と疑問に思う人もいるかもしれないので、その疑問にお答えしておきましょう。

国の借金というところの「国」とはあいまいな表現ですが、日本銀行は経済活動を行う主体を6つに分類しています。

経済主体の分類
  1. 家計
  2. 非金融法人企業
  3. 金融企業
  4. 政府
  5. NPO
  6. 海外

日本銀行の分類に従うならば、国の借金というところの「国」(以下、日本国家)とは、「6.海外」以外の合計でしょう。

実は家計、企業、政府などを合計した日本国家は、外国から借金をしています。その総額は664兆円です。(2018年末時点)

しかしその一方で、日本国家が外国に貸し付けているお金の総額は、1,006兆円です。(2018年末時点)

つまり2018年末時点で差し引き342兆円(1,006兆円マイナス664兆円)もの「資産」を『日本国家』は保有していることになるのです。

誤解される表現を使う理由

インターネット上で堂々と公開されている情報をチェックするだけで、「国の借金」という表現そのものが誤解を生じさせる表現であり、「国民一人当たりの借金」という言い回しにも無理があることは誰にでも明らかです。

しかし今でも一部の大手メディアは「国の借金」や「国民一人当たりの借金」という表現を繰り返し用いています。

なぜなのでしょうか?

一説によれば、財務省が大手メディアに対してレクチャーする記者クラブ「財政研究会」にて、「国の借金」という言葉が用いられているようなのです。

財務省といえば増税を推進する立場であるため、国民向けには「このままでは日本国の借金で破綻する。だから増税が必要だ!」と主張したほうが都合がいいのかもしれません。