『そこそこ貧乏』ですが何か?

お金のモノサシ

わたしの上司が役員に昇進した時の話です。

当時、平社員だったわたしは「どうしたら順調に出世できるんですか?」と質問しました。

すると上司から思わぬアドバイスを得ることができました。そのアドバイスとは「大きな借金をしろ。」でした。

上司曰く、「大きな借金をしたら、もうヤルしかないでしょ?退路を絶てるかが大事なんだよ。」ということでした。

わたしは「借金に頼るなんて、なんだか変な話だな。」と思いましたが、たしかに借金すればするほど「出世しなければヤバイ」という危機感が湧いてくるのを実感したのです。

しかし借金をすることで芽生える不安、恐怖、危機感は、いわば栄養ドリンクのようなものであって、決して健全なものではないと悟るのは、それからずっと後のことだったのです。

「いい思い」してますか?

ある日ネット記事を読んでいると、今でいうブラック企業(当時はそんな言葉もなかった)の社長の発想を知る機会に恵まれました。

ブラック企業の社長が社員を支配するためにやることというのが、「社員にお金を貸して返済をせまる」というものだったのです。

近年の事例でいうならば、2018年10月求人広告会社ビ・ハイアの女性社員が、社長からの悪質なパワハラが原因で自殺したと疑われている事件があります。(執筆時点では裁判中)

自殺した女性社員は、社長から高級ブランド品などをプレゼントされるも、社長は「貸付金なのだから返済せよ!」と主張し、社員を奴隷のように働かせていたそうです。(社長は事実関係を否定しています。念のため。)

参考 ビ・ハイア元スタッフ、自殺女性がブログに残していたものキャリコネニュース

なぜ?自殺した女性社員が死ぬまで追い込まれてしまったのか???

本当のことはわかりませんが、自殺した社員本人はブログで『しんどいだけではなくいい思いもしました。』といって、過去に経験したいい思いを箇条書きにしています。

「いい思い」一覧
  • なんだかんだ年収が高い。私の同世代の2倍以上出てる。
  • 社長にバーバリーの服をたくさんおごりで買ってもらった
  • 年収が上がったから高級レストランやホテル飯が通常装備に!
  • 社長にフェラガモのパンプスを買ってもらった
  • 研修旅行中に高級エステを受けさせてもらった
  • 入社してすぐに専属カラーコーディネーターに似合う色を診断してもらえた
  • テレビや映画で活躍しているプロのヘアメイクさんに来てもらって事務所から一歩も出ずにヘアカットしてもらった
  • いつでも最新ゲーム、最新機器に触れることが出来る
  • 最新の超高性能一眼レフでコスプレ写真を撮れる
  • 社長にVUITTONのバッグを買ってもらった
  • 社長にGUCCIのバッグを買ってもらった
  • 社長にバーバリーのバッグを買ってもらった
  • 社長にこんなに買ってもらってたら奥さんや恋人、愛人なのかと間違えられる。それくらい買ってもらってるけど、社長は他のスタッフにもおごっている。

【出典:ビ・ハイア

あなたは上記「いい思い」一覧をみてどんなことを感じましたか?

わたしは「怖すぎる」と思いました。なぜならば「いい想い」のすべてが『お金で買えるもの』だったからです。

おそらく入社して知らずのうちに「お金教信者」として洗脳されてしまったのだと思います。

わたしの冒頭で紹介した上司と一緒に働いている時、20代後半で1,000万円弱の給料をもらっていたからなんとなくわかるんですが、、、、、、

「辛い仕事だから辞めようかな?」という考えが頭によぎった時に、『退職』や『転職』の2文字を打ち消すのはいつも『お金』でした。

具体的には、「仕事辞めたら今以上に給料の高い仕事が見つかるかわからない」とか、「もし給料が下がったら来年の税金の支払いがキツくなる。」などと考えると「退職することはいつでもできる。もう少し頑張ろう。」などと考えてしまうのです。

そしてお金教信者としての信仰が強くなればなるほど、不思議なことに「社畜すぎるほど社畜の自分」を正当化するようになるのです。明らかに「社畜」な自分を楽しむ一方で、他人から「あなたは社畜だ」と指摘されると「社畜じゃない」などと過剰に反応したりします。

ここで立ち止まって以下の質問に正直に答えてください。

『お金がないと死ぬかもしれない。(いい思いができない。)』という不安を原動力にして決断したり、行動したりしていないでしょうか?

勘のいい方ならお気づきかもしれませんが、現代資本主義において『お金』の役割は、価値の「保存」、「交換」、「尺度」以外にもあるのです。4つ目の役割があるのです。。。

ズバリ答えは「支配」です。お金は人間の行動を支配するという役割をシッカリ果しています。わたしの知る限り、お金で人間を支配するやり口は、日本では江戸時代から続いています。

徳川家康の結論

徳川幕府の初代将軍、徳川家康は「そこそこ貧乏な状態で統治する」ことを実践した人物です。なぜ?そこそこ貧乏な状態を理想にしたのでしょうか?

なぜならば、、、、、、民衆が食えないほど極度の貧乏にしてしまえば暴動が発生することは明らかですから「貧乏」は絶対に避けなければいけません。

では逆に大衆の多くが「お金持ち」の状態が理想かというとそんなこともありません。なぜならば大名や民衆がお金をもつと『下剋上』などの良からぬことを考えて、権力を倒そうとしてくるかもしれないからです。

だからこそ、幕府以外にお金をもたせないことを徹底しました。

具体的に徳川家康がやったことは、士農工商という制度を導入です。

武士にはお金を与えるかわりに「身分が一番高い」というプライドを与えて、誇りのために生きる道筋を与えました。

商人には、お金をもたせるかわりに「身分が一番低い」という枷(かせ)を与えました。

そして農民や町人には「質素倹約が美徳」という価値観を刷り込むと同時に、「お金は汚いもの」という価値観を強烈に刷り込むことでお金がないことを正当化させたのです。

結果、江戸幕府は約300年繁栄し、大衆は「そこそこ貧しくとも、そこそこ平穏な暮らし」を享受しました。

おそらく江戸時代の話だからわたしたちには関係がない・・・・・と思う人はいないでしょう。きっとあなたも「どこかで聞いたことのある話だな。」と思ったはずです。

現代も一緒

「お金は汚い」という価値観は、現在でも受け継がれています。

わたしの父はいまだに、「お金持ちは悪いことをしているに違いない」と思い込んでいます。東京を一緒に歩いている時にベントレーという高級外車(2,000万円~)が駐車されているのを見て「どんな悪いことをしている奴が乗っているのか?」とつぶやいたのを聞いて、わたしはショックを受けました。

また平成になってからは士農工商の身分制度のような階級制度が導入されました。

そうです。「正規雇用・非正規雇用」というやつです。子どもの夢が「公務員」や「正社員」でも驚かない時代になりました。

そのほか「勝ち組・負け組」という言葉が誕生し、「就職に失敗して負け組になりたくない!」と不安な気持ちに追い込まれた就職活動中の学生は、国内約400万社のなかにわずか0.3%しかない大企業に殺到します。

そして派手な暮らしをしている一般家庭で育った創業社長がいればSNSで叩くのです。「出る杭は打たれる」を続ける日本人は、みんなで一緒に貧乏になるという道を今日も突き進んでいます。

勉強して大企業への入社を目指す。

大企業に就職したら奴隷のように働く。

カラダを壊しても文句はなかなか言えない。

出世しても役職定年になれば給料3割カット。

定年してもすぐに年金はもらえない。

年金受給して働けば年金受給額は減らされる。

死ねば巨額な相続税を召し上げられる。

という巧妙にはりめぐらされた障害を一つ一つ飛び越えてRICHになるためには、お金にふりまわされないためにあらゆる対策が必要になります。

具体的な対策はいろいろあるのですが、残念ながら今回の講義ですべて語りつくすことはできません。ですからまずはRICHを目指すために、最初にやったほうがいいことを1つだけ紹介します。

お金の脱・洗脳

まずは江戸時代から続く「お金は汚い」という歪んだ価値観から捨て去ることをおススメします。

なぜならば「お金は汚い」というイメージをもっていると、お金を稼ぐことに罪悪感をもち、お金をもっていない自分を正当化するようになります。そう、江戸時代の武士のように!

「お金は汚い」というイメージはあなたがRICHを目指す上で「ブレーキ」の役割を果たします。アクセルとブレーキを同時に踏んでいては、なかなかお金の不安から脱することはできないのです。

前回の講義では、世界でもっとも信者を獲得しているのは『お金教』という宗教であることを明らかにしました。

宗教を信じると死ぬまで不安から逃れることができません。

神を信じている熱心なキリスト教徒でも死ぬ間際になると「神さまって本当にいるのかな?」と不安になりますし、あのマザー・テレサですら晩年には「わたしは神の存在を信じることができない」という苦悩を告白しています。

キリスト教信者だけでなくお金教信者も同じような状況に追い込まれます。お金を信じて最後には必ずお金に裏切られます。その証拠に、お金は死んだら全額没収されてしまうのですから!!

日本人の多くはお金の不安を抱えているのに、「死ぬときに一番お金をもっている」という人も珍しくありません。なぜならば熱心なお金教信者として、お金と自分を同一視してしまっているからです。お金を失えば痛みを感じ、お金の存在を身近に感じられれば安らぎを感じるのです。

最後に

あなたがRICHになりたいなら、最初にやるべきことはお金の正体を見極めて、お金の呪縛から解放されることです。

「お金は汚い」とか「お金は裏切らない」などのお金に関するあらゆる考え方に出会った時、「本当にそうなのか?」と疑うことから、あなたのRICHへの道ははじまるのです。

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