8.見せかけの因果律

2024年5月6日のゴールデンウィーク最終日。東京ドームでボクシングの試合がありました。

メインの試合は、井上尚弥選手とルイス・ネリ選手との対決。その試合前日の会見で、アドラー心理学を学ぶ上で役立つ発言があったので紹介します。

メンタリティーが違う

井上尚弥選手に挑戦する立場のルイス・ネリ選手が、「井上尚弥は背負うものが大きい。俺は失うものがないので有利」という趣旨の発言をしました。

そのことについて問われた井上尚弥選手は、「背負うものの大きさは、ボクシングの強さとは関係がない」と反論しています。

アドラーなら「見せかけの因果律」という概念で解説するでしょう。

ルイス・ネリ選手は、「背負うものが大きい⇒不利」、「背負うものが小さい⇒有利」という因果関係を想定しています。

「背負うものが大きいとプレッシャーで自分で自分を追い込んでしまうので、パフォーマンスに悪影響が出るのではないか?」というような発想は、なかなか説得力があります。

しかし「本当にそうか?」と立ち止まって考えてみると、必ずしも背負うものの大小がパフォーマンスを決定するわけではないことに気づくでしょう。

事実、試合結果は「井上尚弥選手のテクニカルノックアウト勝利」でした。井上尚弥選手は「見せかけの因果律」に惑わされなかったのです。

自分で自分を騙す

「見せかけの因果律」で自分で自分を騙してる人は珍しくありません。たとえば「わたしは専業主婦なので、お金を稼ぐのはムズカシイ」という意見は、たしかにもっともらしいです。

しかし・・・・・一度も社会に出て就業した経験のない主婦が、79歳で宅建を取得し、80代で不動産会社を起業した・・・・・という話もあります。

和田京子さんの転機は、77歳のときに療養中だった夫が他界したことです。

10年以上続けた介護が終わり、心にぽっかりと穴が空いて家にこもりがちになった京子さんを心配した孫が、「何か習い事でもしてみたら?」と宅建のテキストを手渡したことが、勉強のきっかけだったそうです。

転機はいつやってくるのか?

あなたの転機はいつやってくるでしょうか?

もちろん「転機がやってくる」のをひらすら待つこともできます。しかし「転機がやってくる」のを待っていたら、寿命のほうが先にやってくるかもしれません。

「転機を引き寄せる」という方法もあります。どうすれば「転機を引き寄せる」ことができるのでしょうか?

転機を引き寄せる鍵は、因果律をひっくり返すことにあります。

「わたしは専業主婦だから、できることがない」と考えれば、「どうすればいいのかわからない」という状況から抜け出すのはムズカシイかもしれません。

しかし「不動産業に挑戦するなら、いま何ができるのか?」と発想を転換することできれば、できることが見つかるのです。

できることが見つかればやりたくなります。やれば人生が動きます。人生が動くと、もっと行動したくなります。人生を変えることは、あなたが思っている以上に簡単なことなのです。

人生を動かすことに興味がある方は、以下のレポートも参考になるはずです。